今回はスポーツ選手に多い怪我である前十字靭帯断裂(ACL断裂)について紹介します。ちゃんと治療というより手術をしたらスポーツ復帰できる怪我ではありますが、リハビリを頑張りが大切になります。
東京オリンピックでバトミントン日本代表の廣田彩花選手が最近ではACL断裂されていましたね。そして、その膝でオリンピックへ出場とは凄すぎます。
他に有名選手でいうと
サッカーでは元ブラジル代表ロナウド選手、元日本代表小野伸二選手
野球ではソフトバンクホークスのコーチ小久保、メジャーのアクーニャJr.選手
一生懸命プレーしての怪我だから誰が悪いわけでもないから心の持ちようの難しい病気でもあります。特にスポーツを頑張っている学生さんたち。看護師さんたちは心のケアも必要になります。
それでは本題へ
目次
膝の構造から
大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にある膝関節は、骨と骨をつなぐ靭帯によって支えられている不安定な関節です。
膝関節を支える靭帯はおもに4つあります。
- 内側には内側側副靭帯(MCL)
- 外側には外側側副靭帯(LCL)
- 関節の中の前には前十字靭帯(ACL)
- 関節の中の後ろには後十字靭帯(PCL)
ACLの役割は大腿骨に対し脛骨が前方にずれないようにストッパーの役割をしている靭帯です。
※大腿骨と脛骨の間には、膝のクッションの役割をする半月板があります。この半月板も重要なんです。
前十字靭帯断裂とは
ACLはスポーツ活動中にしばしば断裂する靭帯で、ACL断裂は手術が必要となるスポーツ外傷のなかで最も多い外傷です。
ACLはさまざまなスポーツで受傷しますが、主にバスケットボールやバレーボール中のジャンプ後の着地、または急停止時に膝を捻って受傷することが多いと言われています。
受傷後より膝が腫れますが、その後は腫れも引き、普通に歩けるようになります。しかし、スポーツ活動中や方向転換時に、膝がガクッとなることがあります。
一度断裂したACLは自然に治ることはなく、このためギプス治療などの適応はありません。ACLが断裂すると、膝崩れのためスポーツ活動の継続が困難となったり、膝がずれることにより、半月板が損傷したりすることがあります。スポーツを行わない人ではそのままの状態でも支障がない場合もありますが、スポーツの続行を希望する人には手術を勧めます。
※半月板を損傷すると2次的に軟骨がすり減り、変形性膝関節症へと進行します。
どうして手術する必要があるか?
ACL断裂していてもある程度の運動は可能ですが、受傷後3~6か月経過すると半月板損傷や軟骨損傷の頻度が増加します。
このため将来的に変形性膝関節症へと進行しますが、これを予防することがACL再建の目的の一つです。
選手にとってはスポーツ復帰が最も大切ですが、スポーツを引退してからも何十年も膝関節も使い続けなければなりません。また、手術を受けてからすぐにスポーツ復帰できるわけではありません。早期のスポーツ復帰は再受傷を増加させる危険因子になり、スポーツ復帰までには筋力の回復をみて6~8か月以上かかります。
術後の経過
術後は腫れが取れるまでギプスシーネ固定し、腫れが取れたら専用の膝装具を付けて動かしていきます。
リハビリでは関節拘縮予防のためにCPM:持続的他動運動装置といって器械で膝の曲げ伸ばしを行い、理学療法士がついて筋力をつけ、膝を曲げるリハビリをします。
術後3か月目に回復状況をチェックし、目標を達していれば膝装具を外し、ジョギングや着地衝撃が少なく膝の捻りを伴わない運動を許可されます。4ヶ月目からランニングや50%くらいのダッシュ、5か月目から水泳のバタ足や80%くらいのダッシュが状態によって許可されます。
術後6か月以降に運動復帰の基準に達していればスポーツへの全面復帰を許可されます。
おわり
今回はここまです。
ACL断裂したときは将来を考えて、やっぱりOPが必要なんかな。大切な試合が近々ある場合は痛みに対して対処療法を行って、大会後にOPを検討することもあるから人生を考える嫌なイベントになるかもしれない。
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