知らない単語からのスタートです。MMTとは現代貨幣理論でもありますが、今回は違います。ちなみに現代貨幣理論はありますが、私は全く知りません。
本題に入りますが、筋力は測る道具はたくさんあります。しかし、そのようなものをいちいち準備するのも面倒なので、筋力を適当に評価してみましょう。そこで考えられたのが、MMTです。MMTとはなんのか。便利な使い方を説明していこうと思います。
目次
MMT
MMT(manual musle testing):徒手筋力検査法とは筋力を評価するための検査です。
筋力を調べると、筋肉の強弱だけではなくて、筋力に影響を及ぼす神経の損傷状態を予測することができます。また、治療経過の判定にも使われます。
つまりMMTは患者の病状の経過を客観的にとらえるための目安になります。
特殊な検査器具を必要としないため、簡単に行うことができます。しかし、主観的な評価になることが多くて、検査者の知識と経験がMMTの正確さにつながります。
評価の仕方
MMTの評価は0~5の6段階で行います。
スコア | 基準 |
5 | 強い抵抗を加えても、抵抗にうちかって関節を正常可動域いっぱいに動かすことができる。 |
4 | かなりの抵抗を加えても、抵抗にうちかって関節を正常可動域いっぱいに動かすことができる。 |
3 | 重力にうちかって関節を正常可動域いっぱいに動かすことができる。しかし、抵抗が加わると全く動かすことができない。 |
2 | 重力を除けば関節を正常可動域いっぱいに動かすことができる。 |
1 | 筋肉の収縮は認められるが、関節は全く動かすことができない。 |
0 | 筋肉の収縮が全く認められない。 |
これを全部覚えるのは面倒です。コツとしては、MMT3を基準に判定していくこです。
MMTの4と5の違いは強い抵抗にうちかつか、かなりの抵抗にうちかつかので、主観的な評価になります。
MMTの0と1の間も曖昧です。細かな筋収縮は触っても分からないことが多く、その場合、外来やベッドサイドでは0や1を区別しません。区別するなら筋電図をとって、筋肉の電気的活動を調べることになります。よって、自分では関節を全く動かすことができない場合にはMMT0~1となります。
そこで曖昧な4~5,0~1を除き、まずMMTが3であるかどうかを評価するのがベターということになります。MMT3以上と分かれば、後は慎重に負荷を加えていって4か5か、はたまた3なのかを確認するだけです。重力には抵抗しきれない2以下ですが、関節が動かないのが0~1なので、重力の関与しない水平面でわずかにでも動けば2ということになります。
検査の注意点
苦痛を与えないことは重要な点で、MMTの評価には患者の協力が不可欠です。可能な限り、患者に痛みや不快を感じさせない検査を心掛ける必要があります。患者が痛みのために自分の力だけでは腕が上がらないところに、私たちがさらに抵抗を加えることは患者にとっては苦痛でしかないので、注意が必要です。
MMT応用編
筋肉のMMTをとることが多いのですが、MMTの便利な使用法として、動作ごとの筋力評価をする方法があります。各関節の動きには1つの筋肉が必ずしも対応するわけではなく、複数の筋肉が関係する関節もあります。
全ての筋肉のMMTを評価するに越したことはありませんが、日常生活の支障を評価するためにMMTを行うのであれば、動作ごとにMMTで評価する方法が便利です。
難しい患者の場合
難しいというと意識障害や認知症の患者のことです。MMTを測定するには、患者にこちらの要望を理解してもらう必要があります。意識障害や認知症の患者の場合は正確なMMTの評価はできません。その場合は、患者の様子で推測します。刺激を加えて、関節が少しでも曲がればMMT2以上と判断できます。
また、痛み刺激で腕で払いのける動作があればMMT3以上、水平方向に払いのける動作があればMMT2以上と評価できます。
まとめ
MMTで評価する場合はまずMMT3の確認から始まります。これは評価する前から判断できるので、そこから抵抗をいれて動かせるか、もしくは重力なしで動かせるか判断をすると早いです。
看護の国家試験にも1問はでてくるので懐かしいと思います。MMTが覚えれないという方はまずはMMT3のみ理解することが重要です。これで何回目言ったか分かりません。それほど簡単な覚え方です。よかったら試してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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