胸が痛いのは恋?それとも・・・

医療

胸の痛みは原因は多種多様です。たとえば、心疾患系や血管系、呼吸系、もしくは恋が考えられます。今回は医療系なので恋は除外させていただきます。
胸痛は緊急度が高い疾患が多いので、判別が重要になります。判別するためには疾患の理解が必要になります。少しでも重要な疾患を知って、緊急時に対応できるようにしていたらできる看護師になれます。

早期発見できる看護師になりたいですね。そのためにも少しでも知識をつけるために頑張っていきましょう!!

見逃してはいけない所見

胸痛を訴える患者の診療に先立って、考えるべき救急疾患は、5つ挙げられます。どの疾患も患者の状態が安定するまで、常に緊急性の高い患者として、対処し、注意が必要になります。そのためにはそれぞれの所見の把握が重要です。

前胸部の絞扼感・圧迫感
前胸部の絞扼感や圧迫感があれば、急性冠症候群が考えられます。患者からは「絞めつけられる感じ、圧迫される感じ」とよく表現されます。
急性冠症候群による痛みが、左肩や頸部、下顎などに放散するころがあります。

胸が裂けるような激痛
胸が裂けるような激痛の訴えは、急性大動脈解離が考えられます。
さらに、脈拍欠損、20mmHg以上の両上肢血圧の左右差、神経学的異常所見が伴えば、急性大動脈解離の可能性が高まります。

頸静脈怒張・血圧低下・心音減弱
Beck(ベック)の三徴(頸静脈怒張・血圧低下・心音減弱)が見られる場合は、心タンポナーデが考えられます。ただし、これらの疾患は、急性期には認められないこともあるので注意が必要です。そのほかには、心拍出量減少、頻脈、奇脈、心膜摩擦音などが認めます。

皮下気腫・患側呼吸音の減弱
皮下気腫や患側呼吸音の減弱があり、気管の偏位・血圧低下を伴う場合は、緊張性気胸が考えられます。
胸痛は突然発症し、頸静脈の怒張が見られます。胸痛以外に咳が出ることもよくあります。呼吸音の減弱や左右差、心雑音、濁音、鼓音、皮下気腫なども確認します。

突然の胸膜性胸痛・低酸素血症
長時間のドライブやフライト、長期臥床、悪性腫瘍の既往歴など、肺塞栓症を起こすリスクのある患者が、突然胸膜性胸痛や低酸素血症を起こした時は、肺塞栓が考えられます。深呼吸で痛みが増したり、呼吸苦がみられるもともあります。

見逃してはいけない疾患

胸痛を伴う緊急疾患には、生命維持の要になる、心臓、大血管、肺などの障害を原因とするものが少なくありません。心血管系の重篤な病態の場合、初期治療での対応が患者の生命を大きく左右します。先ほどの5つの疾患をポイント含めていきます。

急性冠症候群

冠動脈の閉塞や狭窄により、血流が減少あるいは途絶して生じる病態です。臨床的には不安性狭心症や急性心筋梗塞などを指します。
重度の心筋梗塞であるST上昇型心筋梗塞では、心筋細胞が壊死し新機能が急速に失われます。20分以上持続する胸痛、顔面蒼白、呼吸困難、冷汗、吐気、意識消失などが症状としてあります。

ポイント
・心電図と症状から即座に心筋梗塞の診断を行い、同時にモニター、静脈確保、酸素療法、採血検査を開始します。
・ニトログリセリン、アスピリン、塩酸モルヒネの適応を検討
・発症1時間以内の対処が予後を左右するため、直ちに血流再開の手立てを講じる

急性大動脈解離

高血圧や動脈硬化が原因で、大動脈の壁に亀裂が生じ、そこから血液が流れ込んで、壁が内膜と外膜に分離される疾患です。
突然に激しい胸部・背部の痛みが現れ、血管の裂ける部位に応じて頸部から背部、腰、足まで痛みが瞬時に移動する。

ポイント
・バイタルサインを確認し、鎮痛と血圧抑制を行う
・塩酸モルヒネを用いて鎮痛するとともに、降圧薬の点滴を用いて収縮期血圧を100~120mmHgに保つ
・血圧低下やショックの場合は、心タンポナーデか大量胸腔内出血を疑い、適宜処置する

心タンポナーデ

心膜腔に心嚢液や血液が溜まり、心臓を圧迫する。心拍出量が減ることで血圧低下、頻脈、呼吸困難、肝臓の浮腫、下肢の浮腫み、指尖のチアノーゼなどをきたします。
急激に心タンポナーデが起こった場合は、ショック状態になります。

ポイント
・心タンポナーデが疑われる場合は、心嚢穿刺や心膜切開による心膜腔内の排液が必要となるため、その準備を開始する
・上の準備と同時に閉塞性ショックに対する治療を行う

緊張性気胸

肺が破れ一方向弁の状態になることで、肺から漏れた空気が胸腔内に溜まり、内圧が異常に上昇した状態です。
内圧上昇により呼吸不全や心不全が起きて患者はショックに陥ります。単純な気胸の症状に加えて、血圧低下、頻脈、冷汗などのショック症状が著明になります。

ポイント
・胸腔穿刺あるいは胸腔ドレナージを施して、胸腔内圧を下げる
・中心静脈路確保の数時間に急変した場合、緊急性気胸を真っ先に疑う

肺塞栓

主に下肢の深部静脈にできた血栓が血流に乗り、肺静脈に詰まって閉塞を起こした状態です。肺血流が遮断され、肺高血圧症と低酸素血症をきたします。
肺血流の遮断程度によって、全く無症状な場合もあるが、重症では心肺停止、ショック、意識消失、呼吸困難などを起こします。

ポイント
・心肺停止状態であれば、心肺蘇生を行いながら確定診断を進める
・その他の場合は、まず酸素投与、静脈路確保を行い、強心薬や輸液などにより、バイタルサインの安定化を図る

まとめ

胸痛についてまとめてきました。難しいところがあると思いますが、まずは5つの疾患について理解してもらえたでしょうか。胸痛の訴えを聞いた時はまず今回の5つの疾患を思い出して、所見からアセスメントし、早期発見につながるようにしましょう。
できたらこういった疾患たちには出会いたくないと思うのは皆さん同じだと思います。しかし、資格を取った以上目の前に患者がいたらなにかできることを施したいと思うのもあるでしょう。なにも処置ができなくても状態を把握できて、情報を医師や先輩看護師に伝えるだけでも患者の未来は変わってくると思います。多分私がこういった場面に出会ってもあたふたしてしまうでしょう。できる看護師って何が違うんだろうね。
経験も大切ですが、無知で経験するより知識あって経験するほうが自分への学びが大きいです。医療は日々勉強と言いますが、日々勉強できるほど人はできていませんので、ふと思ったときに勉強するのがいいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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