整形外科で働くうえで知っていないといけないことがあります。
それは関節の動きの種類。
関節の動きを正確に表現し、可動域を評価していくことは、患者の日常生活を整える、看護師の役割として欠かすことはできません。
そして、治療上医師より回内禁止、伸展禁止などの指示が出ます。この指示は必ず守らないといけないもので破ってしまうとインシデントレポートもしくはアクシデントレポートを書くことになります。
また医師や理学療法士、作業療法士などのリハビリにかかわる他職種とも情報共有が安易になります。安易というより必要条件と言ってもいいくらいです。カルテにも記入しないといけないです。
それでは整形外科の基礎の関節の運動の種類についていってみましょう!!
関節運動の基礎
関節の動きは肩関節や股関節などの3次元に動く関節があります。複雑にみえる運動も3次元ではなく、運動軸を基本とした2次元の運動に分解することで、多くについて正確な表現が可能になります。
2次元に分解する際には、運動面について理解しておくことが重要です。関節の運動面は、身体内部で交差する運動の面として矢状面、前額面、水平面に分類できます。
- 矢状面:体の横から垂直に見た平面状の動き
- 前額面:体を真正面から垂直に見た平面状の動き
- 水平面:頭の上から垂直に見た平面状の動き
運動の種類
運動の種類は屈曲・伸展、外転・内転、外旋・内旋、回外・回内、外返し・内返しの5種類に分類されます。説明文は難しいと思いますが、理解すると悩んだときにすぐに判断できます。
屈曲伸展
主に矢状面での動きを指し、関節を挟む部位が近づく動きを屈曲、逆に関節が遠ざかる動きを伸展と呼びます。肩関節・股関節などの関節に関しては、腹側への動きを屈曲、背側への動きを伸展といいます。
ただ、手関節と足関節の部位においては、屈曲・伸展を別途、掌屈・背屈と呼びます。手関節の運動は手掌の側に曲げる掌屈と、手背の側に曲げる背屈という名称が用いられています。
同様に足関節の動きは、足底側に曲げる運動を底屈、足背側に曲げる運動を背屈と呼びます。
外転内転
多くは前額面での動きを指し、体幹や手指を基本軸としてその軸から遠ざける動きを外転、近づける動きを内転と呼びます
外旋内旋
多様な動きが可能な球関節である肩関節、股関節に関する運動を指し、上腕、大腿を運動軸として、外方へ回旋する動きを外旋、内方へ回旋する動きを内旋と呼びます。ちなみに回旋は、その部位の位置が変わらずにその場で回転だけをするような運動を指します。
回外回内
前腕を基本軸とした回旋運動を指し、前腕を軸として手掌を上に向ける動きを回外、手掌をしたに向ける動きを回内と呼びます。
外返し内返し
足関節の回外・回内、外転・内転、掌屈・背屈の複合した動きを指します。足底を外側に向ける運動を外返し、内側へ向ける動きを内返しと呼びます。
まとめ
これで美しく報告やカルテ記載ができるようになったと思います。そして、なにより医師の指示に従え、変なレポートを書かなくて済みます。患者のためにもなります。
学び方は人それぞれです。
よく関節の動きを絵でまとめているテキストやサイトが多くありますが、一つ一つを覚えるのは正直私には無理というより記憶するスペースがないから覚えません。
理解したらなんとなくで応用が利くのでパッと出てきます。よく股関節の外旋内旋を間違えやすいのは理解していない証拠だからです。
覚えたほうが早いという方は覚えていいですし、理解したほうがいいという方は理解していいです。
だって、人間だもの。けんたろう
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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