膝の周手術期看護~初心者から上級者への道~

医療

病院で必ずいる先輩。その先輩はものすごくできるやつ。その先輩に追いつくためにはまずやること。それは勉強。それも先輩のマネをすること。今回は後者の先輩のマネをしていき、先輩との差を縮めて、将来追い越しましょう。

大きな声で言えないですが、50%くらいの人(エビデンスなし)に言えることがある先輩より新しい知識で学んでいます。そして、新しいことが正しいことが多くあります。先輩のやることもエビデンスに基づいて行われているので否定せずにマネしてみましょう。

それでは先輩のマネをできるようになにをしているか学んでいきましょう!!

術前での差

皮膚状態を観察
発疹・発赤・白癬・擦過傷など感染の原因となるものはないか確認します。皮膚状態が悪いと感染するリスクが上がります。皮膚状態の悪化がある場合は主治医へ報告します。
アトピー性皮膚炎患者でステロイド外用薬をしている場合は、患肢側の使用を術前に中止しています。
※皮膚状態の観察とともに、爪切り、マニキュア、ジェルネイルの除去を確認します。

足関節の可動域を確認
原因が神経麻痺によるものか、痛みによるものか、元々の可動域に違いがあるためか評価する必要があるため、術前評価として両足関節の可動域を確認します。

膝崩れの有無、屈曲角度、伸展角度を確認
入院時の歩行状況を確認し、膝崩れの有無、痛みの有無を確認します。術式にもよりますが、半月板の断裂がある場合は膝がロッキングしていることもあるので、痛みのない範囲で確認します。

ニーブレースを装着しての移乗方法や駆動練習、注意点について指導
術前に大腿周囲径を測定し、患者にあったサイズのニーブレースを装着します。その際にニーブレースの注意点を説明し、車椅子への移乗と駆動を体験することで、術後離床の予行練習ができ、不安の軽減と転倒リスクの軽減につながります

術直後の差

腓骨神経麻痺・コンパートメント症候群の確認
両足部を同時に触り、触られた感覚が同じか、足趾足関節の可動域が術前と同様であるか確認します。母趾・示趾間の知覚障害や、足趾足関節の背屈運動障害などがある場合はすぐにニーブレースによる圧迫を除去し、しびれ部分にマーキングして主治医へ報告します。

コンパートメント症候群は筋膜、骨、骨膜などで囲まれたコンパートメントの内圧が上昇し、コンパートメント内の血流や組織還流が障害されて発症します。疼痛、蒼白、脈拍消失、感覚異常、麻痺、皮膚温の低下、他動伸展時の疼痛増強など、異常を感じたらすぐに主治医へ報告します。

創部ドレーンの管理
ドレーンは創部と関節内に留置されており、排液がうまくドレナージされないと、血液の貯留による腫脹、熱感、創痛、発赤、血腫の原因となります。ルートの屈曲や閉塞に注意し、ベッド柵の上に通るなど創部の高さより上になってないか、床に着くなど不潔になっていないか、指示通りの圧になっているかを確認します。
短時間で血性排液量の増加は術後出血や縫合不全などが考えられるため、バイタルサインや患部の状態などを総合的に判断して、主治医へ報告します。

アイシングの実施
術直後より創通、腫脹、熱感、出血などの軽減のためにアイシングを使用します。アイシングを実施するため、凍傷のリスクがあります。既往にしもやけや寒冷刺激による皮膚トラブルがないか確認します。
創部の観察の際にはアイシングによる皮膚色調の変化や水疱の有無などの皮膚トラブルがないか確認します。

弾性ストッキングによる皮膚トラブルの確認
DVT予防対策のために弾性ストッキングを使用します。弾性ストッキングのしわが皮膚に食い込むと痛みと発赤、水疱の原因になるため、しわをなくし、患者にあったサイズを着用します。
皮膚が弱い場合は弾性ストッキングによるかぶれの可能性もあるため、弾性包帯を使用します。

深部静脈血栓症の症状の確認
深部静脈血栓症のリスク分類において、整形外科領域の下肢手術(THA、TKA,股関節骨折手術を除いて)は中リスクとなっています。患者固有の因子(年齢、肥満、エストロゲン治療歴など)を加えると、免荷やニーブレース固定をする手術はリスクは低くありません。下肢の腫脹・疼痛・色調変化・ホーマンズ徴候の有無を確認し、帰室直後から足関節運動を指導して下肢の循環を促します。

リハビリ期の差

腓骨神経の指導
患者が腓骨神経麻痺の症状を理解し、異常を感じた時にただちに看護師に報告できるように指導することが大切です。また患肢を下にして寝ていないかなど、夜間巡視時に体位の観察も大切です。

創部の観察
術式によって創痛、腫脹、熱感部位、ドレーンからの排液量が異なります。術後日数、術式、出血量などを理解し、創部の感染徴候(疼痛、腫脹、発赤、熱感、出血・浸出液など)の異常はないかアセスメントする必要があります
抜糸後は創部がオープンとなり、患者がカサブタを剥がしてしまうこともあるため、感染についての指導が必要です。

禁忌肢位の指導
術式によって禁忌肢位は異なるため、術式を理解して患者指導を実施します。ACL(前十字靭帯)再建術や半月板縫合術などは制限があります。患者指導では、なぜ禁忌なのかいつまで禁忌なのかを指導していく必要があります

まとめ

今回は膝の周手術期の看護について、まとめました。先輩のやっていることは意外と基本に忠実なことが多いと思います。基本をしっかりしているからこそ、できるふうに思えます。こんなのしなくていいやとかなんのためにするのか分からないからしないというと問題が発生します。

そして、先輩は基本に忠実であり、無駄を省いている。ほとんどのことに無駄はないですが、忙しいとき今する必要がないことをしない。それが先輩です。なんでもしないといけないと思うあまりにすべてが中途半端になると元も子もないです。

先輩の行動を見て学んで、気になったことはなんでも聞いて成長しましょう。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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